今どき珍しい悪徳不動産業者と任意売却のコワイお話!
このお話を読み進める前に、【 錯誤 】と、【 表意者 】という2つの単語の意味を把握してください。
特に【 錯誤 】の意味を理解していただかないと、このストリーはチンプンカンプンだと思います。
契約が成立していても、勘違い「錯誤」があると、その契約は無効になる場合があります。
民法では、法律行為の要素に錯誤が認められる場合には、その意思表示は無効とされます(民法95条)。 また表意者に重過失が有っても、相手
が悪意なら無効の主張が認められます(民法95条但書)。
錯誤(さくご)とは、そのつもりがないのに不注意で契約をしてしまうことです。
例えば、岩本さんが、Aという土地を売るつもりだったのですがウッカリと不注意で、全く売るつもりの無いBという土地にを売買契約してしまった場合、このような
場合には要素の錯誤が適用されます。
要素の錯誤とは、「わざと・故意」ではなく「不注意」でしたので、表意者(錯誤した人)の保護が優先され無効にとなります。 ただし、全
ての事例にまで保護するのは妥当でない事から、表意者に重大な過失があったときは、表意者自身が無効を主張できないようになっています。
今でも存在した悪徳不動産業者
クソ暑い8月、中山さんから相談を頂きました。
話を聞いた若いスタッフは今までにないケースなのでチーフ・コンサルタントに、この案件をお願いをして、チーフが中山さんに折り返し連絡をしました。 相談の
内容は、”売却を頼んだ業者が所有権を移転してしまった。 800万円で買うと言われたがお金は貰っていない” とか本人も何だかまるで分かっていないよう
です。
中山さんの物件は埼玉県の南部の町で三郷市に在る築8年の35坪の戸建てです。 地番を聞き土曜日に物件の近くで会う事になりました。 直ぐにパソコン
で謄本をみると確かに6月に中山さんからCと云う会社に売買で所有権移転がされています。 しかし抵当権は、未だにT銀行で3,300万円シッカリと付いたままです。
そして土曜日の午後に、相談者の中山さんと三郷の駅前の喫茶店で会い話を聞くとローンが払えなくなったので、知人の勤めている不動産屋に頼んだら悪いよ
うにはしないと言われ印鑑証明書、権利書など渡しておきました。 中村さんは、銀行からは何も言って来ていないので処理が済んだものと思っていたと情けない声で言います。
当社のスタッフは中村さんに考えられる状況を説明しました。
スタッフが説明をした考えられる状況とは、「中山さんの物件が1,500万円で売買できたので抵当権を抹消してくれとT銀行と交渉して、そして銀行との交渉が
上手く行けば知り合いの不動産業者を仲介業者にして手数料と転売益を稼ぐか、または賃貸にして、月12万円〜13万円で貸し、敷金、礼金、手数料をも
らい、加えて住宅ローンは払わず競売になるまでほっておけば200万円〜300万円は儲かりますよね〜。 まだまだ、色々なやり方は有りすけどね〜、こんなところ
じゃないですかね。 多分、賃貸でセコく儲けると思いますよ。 抵当権者が競売掛けてこなければ儲けもんですからね〜。 ただ中山さんも迂闊ですよね。 権利
書渡して印鑑証明出して実印を押しているんですから。」
「その業者も業者なら中山さんも中山さんですよ。」と言うと。
『その、賃貸だと思うのですよ。 もう人が入っていますから』と、中山さんに言われスタッフはこれはダメだと業者にいいようにやられてしまってる!
中山さんいわく、この不動産業者と契約してすぐ近くのマンションにお金はいいからそこに隠れていたほうが良いと言われ親子3人で引っ越ししたそうです。
「中山さん所有権移転までされていてはどうしようもありません。 とりあえず当社のチーフ・アドバイザーに相談してみますね。」と、その場で会社に電話をを入れ、
チーフの意見を求めました。 そして得た回答は「中山さんはお金も貰ってないし、抵当権も付いたままだしこちらで客付けて錯誤で戻させれば良いのではないか。 よし、直ぐに手を打ってやるよ!」と、言ってくれました。
チーフは私との電話を切るや否や、当社の親しい取引先でもある、松戸のMホームに連絡し、事情を説明し、そして、中山さんの物件に客付けを依頼しまし
た。 電話を切って、「あそこなら付けば早いよ。 かなり大がかりに広告を打っているからね〜。」と、チーフの弁だったそうです。
そして、案の定数日後、松戸のMホームが2,500万円で購入希望者を付けて来ました。
つくばエクスプレスの影響で三郷市も最近は需要が上がったそうです。 中山さんの物件は賃貸していなければ2,700万円位は行くとの事です。 これは、なかな
かの価格です。
チーフは、私と若いスタッフに「一丁ろくでもない業者をやつっけに行くか!」と言って北千住の不動産業者に電話。 先方の社長と話をしましたが、シドロモドロで
何を言っているのか分からない状態。 これ以上は、電話ではかったるいので、直接に出向こうじゃないかってく事になったのです。
マンションの一室の不動産屋と言うより、まるでヤミ金の事務所のようです。 担当者は日焼けサロンで焼いた黒い顔した30才前のお兄ちゃんです。 不動産の
不の字もしりません。 「中山さんに約束の800万円を払ってやってくれれば、あの物件はあなた方の好きにしてくれて良い」と言うと、『社長が居ないので』っと言わ
れ、当社の若いスタッフが「それはないでしょう。 いきなり来たわけではないし、社長は分かっているはずですよ〜。 社長を携帯で呼んでくださいよ。 コッチもこの
まま帰る訳にはいきませんから」と強い調子で言うと。 『チョット待ってくれ』と言って部屋を出ていくと、直ぐに40才前後の縦縞のスーツを着た男と戻ってきました。
『担当の出川が辞めてしまってよく分からないのですよ〜。 申し訳ないのですが。』「それはないでしょ。 新しい権利書、今の賃貸借契約書は御社が保管して
いるでしょ。 まさか担当者が持って行ったなんて言わないでしょうね〜? 中山さんは金も貰ってないのだから、”錯誤で戻して貰いますよ。” そちらもれっきとした
宅建業者なんですから。 錯誤って分かりますよね? 御社は全日本不動産協会に加盟をしている業者なんだろ〜! 都の不動産指導班を相手に、これを
問題にしたく無いでしょう。 まして、この件は刑事事件にまで発展するけど覚悟はあるのかい。 御社の儲けた、たったの200万円位のことで免許を捨て尚かつ
前科も持つ覚悟は有るのか、それとも抵当権者と話をして2,000万円でも返済してくれるなら話は別ですよ。 どうなんですかね〜?」とスタッフが一気に捲し立て
る。
北千住の社長が ”錯誤ってなんですか?” と、マヌケた質問をして来た。 当社の若いスタッフが数日前にチーフから仕込んだ 錯誤を解説すると、社長は『その
錯誤で戻せば良いですかね。 敷金とか戻せないのですが。』「それはもういいでしょう。 家賃は新しい所有者に日割りで戻してくださいよそれで終わりにしましょ
うゃ。 今から、松戸から司法書士を呼びますから、松戸からなら30分も有れば来るでしょう。 良いですよね。 中山さんも責任は少しは有りますからね。」
中山さんは黙って頷くだけです。 松戸のMホームの司法書士に前もって連絡していたのでキッチリ30分で到着です。 その間に、この物件を買ったC社には
必要書類を揃えさせ準備オーケーです。 司法書士が来て、本人の確認させて終了。 そして、こんな所に長居は無用とサッサと撤収しました。
昔ならともかく未だにこのたぐいの不動産屋が都内に存在するのに驚きました。
当社のスタッフ達は、業界の中に居るから分かるけど、一般の人達簡単には騙されるだろうと考えさせられました。 そして無事契約が済んだ時にはホッとした
中山さんの顔が印象的でした。
松戸のMホームさんに向かう電車の中で、私と若いスタッフはチーフに ”お前ら、宅建の免許を持っているのに錯誤も分からなかったな!試験に出なかったのか?
勉強はしなかったのか! もっと勉強しとけ! 最初、中山さんのお話をおうかがいした時点で錯誤を思い浮かばなかった時点で、お前ら任意売却のアドバイザー
としては失格だな!” と、散々に油を絞られました。
上記の話の部分だけを読むと、いかにも当社がボランティアで人助けをしているように受け取れるかもしれませんが、それは違います。 上記のお話は美しい人助け
のお話ではございません。 物件の売買が有るので、仲介手数料 3% + 6万円 + 消費税という売上げが見込めるから、この依頼を受けたに過ぎま
せん。 私たちは正義の味方でもボランティア団体でも有りません。
任意売却相談室
債権者に大きな額の負債を残しての売却なのです! 任意売却後に、その債権者が大金をくれるとお思いですか? お金に困っているので大金は
欲しいとおもいますが、冷静にお考えください!
任意売却にオイシイ話はありません!